お茶(茶道)をなされてるお客さんのお庭です。
古い竹垣の交換の依頼でした。最適な時期に伐採した青竹を綺麗に磨き、防虫防腐処理された木材で作りました。
青竹で枝折戸を作る機会も減りました。「昔は初釜までにと・・」毎年注文頂くことが多かったのです。
私の場合、竹が手元にある状態から始めて完成までおよそ半日かかります。伐採からだと一日ですね。
古い竹垣の支柱を抜く時は折らないよう注意しなければなりません。
折れてしまうとスコップで大穴を掘ることになりかねません。
庭も荒れるし良い事無いです。
古いと腐ってたり、木の根が地中で絡んでたりで苦労することも多々。
可能な限り揺すってみます。グラグラしたらラッキーです。垂直に引っ張ってみます。
少しでも浮けば先は見えたも同然です。揺すりと引っ張りを繰り返します。
頑張りすぎると自分の腰がイカレますから無理はしません。若いころは無理してました。
抜けそうで抜けない時は支柱に引っ掛かりを作りテコの原理で抜いたり、
いよいよ抜けない時は三脚を作りチェーンブロックで抜きます。
何れも垂直に真上方向に力をかけるのがポイントです。
抜けたらその穴を拡大し新たな支柱を入れ、高さを確認し垂直に仮固定。
青竹の横桟を正面から見て真っすぐに見える位置に回転させ穴に入れ固定。(支柱には青竹が入る穴が空けてあるので入れ込みビスや釘で固定します。)
横桟の水平ともう一度垂を確認し支柱の周りに真砂土を充填し本固定。
立子(縦の竹)を横桟にピッタリ添わせるように正面からみて立子がなくべく真っ直ぐに見えるよう回転させ木槌かゴムハンマで打ち込みます。
横桟が2本なら竹どうしは点で密着しますが、3本以上だとまず密着しません。
これは天然竹が真っすぐではない為です。接触しない部分を接触なせるように強引にシュロ縄で締結します。
こうすることでこの部分に常に力が溜まっている状態にする。これが四ツ目垣製作のポイントです。天然竹で四ツ目垣を製作するなら横桟3本以上入れましょう。
シュロ縄で垣根結びが習得出来ている事が前提でが、近年ではこの結びが出来る人が減っています。シュロ縄は摩擦か強く滑りが良くないので少し湿らせておくと作業が楽で、
ギシギシと音が出るくらいにとにかく力いっぱいにキツキツで結ぶことが大切です。
昔の茅葺家屋を軒下から覗くと竹が使われていますが金物など使わず結びで固定されています。これは竹は中空なので釘は効きにくいので賢明な方法だと思います。
きっと昔はポピュラーな技術だったのでしょう。
横桟も立子は何らかの規則性を持たせると整然とした出来上がりに、また遊び心を取り入れて波のイメージなどユニークな動きを感じさせる意匠も可能だと思います。
昔お客さんにプレゼンせずに自由にやって、やり直しした経験があります。(笑)
お客さんの満足が大事ですね。
クーラー室外機隠しは風通しを考えなければエアコンの性能に影響が出ますので、お客さんとよく話し合い竹の配置と隙間の空け具合を決めました。
綺麗に磨かれた青竹が美しいです。真竹ならではで孟宗竹だと洗ってもこんなに綺麗ではありません。