木と鉄のハイブリッド扉、裏側
扉の表側
材質は国産杉、キシラデコールクリア仕上げ
ステンレス曲げ加工レールと溶射加工されたキャスターとステー。
特注 間口3.5m巨大門扉の製作施工
竹垣屋だけど自分たちに出来ることならやります!そんなきもちで仕事をしています。
今回は・・未経験な大きさの木の扉。
受注した時から大きなプレッシャーでした。私は仕事に不安があると夜寝れなくなるタイプです。
長期にわたり安定して使える丈夫な扉を目指して思案の連続です。
私だけでなく皆で知恵を絞ります。
もの作りには手先の器用さ以外にも、その人の知識、適正、想像力、洞察力、集中力、経験が必要ですが、今回は経験の要素が少ないのがプレッシャーの要因であります。
残りのスキルをフル活用して補い、壊れるとしたら、どんな条件でどのように不具合が発生するのか?より美しく、長期わたり安定している構造とはどんなものか?思案します。
その結果、見た目は木の扉で内部に丈夫なスチールフレームをもつ構造。
鋼材をカットしTIG溶接でフレームを組み立てます。
防錆の為サンドブラスト(圧縮空気で砂を吹き付け酸化膜除去)とアルミ溶射(溶けたアルミを吹き付ける)と艶消し黒のポリウレタン塗装。
こうすることで僅かに見えるスチール部分も鋳物のようなザラリとしたテクスチャになります。
でも主な目的は防錆、錆の汁が出てシミを作らない為です。可能な限りスチールを目立たせないよう木で覆っていきます。
木は吸湿と乾燥で伸縮や反り曲がりを生じます。木の動きを阻害せずにスチールに固定しなければなりません、でもボルトやネジなどを木の固定には今回使いたくありません。
そんなことしたら雰囲気損ねますから。そして雨水が溜まらず速やかに排出される構造でないといけないわけです。
このような事を長い時間かけて考えたおかげでトラブルなく完成させました。
簡単な仕事ばかりしていても、技術屋として大きな成長を手に入れるのは難しいと、困難こそが職人を成長させるのだと思っています。
今回もしっかり成長させて頂きました。
お客さんに感謝です。
今回協力して頂いた業者さん、鋼材:㈲岩下鉄工様。曲げ加工:㈲水田ベンディング様。溶射:新栄防蝕㈱様 木材:小川製材所様 など感謝いたします。